インクルージョンは宝石内部に見られる特徴である。結晶が成長する間に結晶中に取り込んだ固体や液体や気体か、
成長が終わったあとにできた劈開面や割れ目。断口面などの空隙を埋めて出来ている。
インクルージョンはかつては宝石の傷とみなされていたが、今日では石に面白味が加わった、と考えられるように
なった。宝石の種類によっては特有のインクルージョンもあり、産地に特有なインクルージョンもあるので、宝石を
固定（鑑定）するうえで限りなく価値のある存在である。

インクルージョンのでき方
　固体インクルージョンは普通はホストの宝石よりも先に出来ており、ホストの結晶はそれをとり囲んで成長します。
はっきりした結晶の場合もあるし、非晶質塊状のこともある。ホストと同時にできたインクルージョンは、ホスト
結晶の原子配列に沿って出来ている。たとえば、ルビーやサファイヤのスター効果は、母結晶であるコランダムの
結晶が成長したとき、その骨組みの中に溶け込んでいたチタンが、温度が下がるにつれて、ホストのコランダムの
原子配列に支配され、一定の方向に並んだルチルの針状の結晶として、固体の中で成長したものと考えられています。
ホストの結晶が成長した後、その空隙や割れ目を充填してできたインクルージョンには、羽毛、昆虫の羽、あるいは
指紋によく似た形のものがあります。

１０～４０倍の顕微鏡は、宝石中のインクルージョンを調べるのにもっとも有用であります。

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